最近、株式会社HOOPに持ち込まれる案件の一つに、地方の活性化というものがあります。
今どきの言葉を使えば、「地方創生」って言葉ですね。
2014年に準備室が発足した、「まち、ひと、しごと創生本部」ここから、「地方創生」という言葉につながり、今は、各自治体に計画を立てる様促しているわけです。
簡単に言うと、各地方で、その土地の特徴を生かして、持続可能なことを考えて!というもの。
一昔前だと、政府が補助金を出す施設の大きさや設備が提示され、安く整備できるから地方に同じものが大量にできたという時代でしたから、少し前進している気がします。
ただ、各自考えて!って言葉。私にはとても良い言葉なんですが、当事者である役所に勤める中堅どころには厳しい言葉に感じなのだろうと想像しています。
なにしろ、考えて失敗したら、その後の役所での立場が肩身狭いものになってしまう可能性もありますよね。
それに、今まで考えてこなかった人には、突然言われても困ってしまうでしょう。仕方なく東京のコンサルタントに話が持ち込まれるという構図になっているようです。
実は、こういう仕事は東京のコンサルタントよりも建築家が仕事として最適であるというのが私の持論です。
というのも、多くのコンサルタントの担当者は、前例を探し、その地方に合いそうな成功例をプレゼンする。
建築家は、様々な事例を調べ、他でやっていないものを提案する。(選ぶ側は、成功例の無いものを選ぶので、怖いでですけどね)
建築家は、その職業上、オリジナリティを追及します。なので、他人がやっていると、少なくとも同じモノのは提案しない。これはすごい!と思ったものでも、改善し、新しいものへと昇華してから提案するはずです。
もちろん、全員とは言ませんが、建築学科の時から、物真似は評価されない土壌で育ち、独立している建築家は、新しいものを始めるのにぴったりの職業です。
地方創生には、「新しさ」、「唯一」ということが必ず必要になります。絶対!
成功例のコピーでは、話題性もなく、成功者がライバルになってしまう。
さらに成功例のコピーが増えてくると、成功した地域もろとも墜落し、多くの補助金をどぶに捨てることにもなるのは簡単に理解できるはずですけど。
私の理想は、全国の地方自治体数は1741。合併前では、3232自治体あったから、およそ、3000の地域に、担当若手建築家がそれぞれ任期3年でアドバイザーとして就任するという事を考えています。
3年に一度、その成果を各地域の大御所建築家や市民の前でプレゼンし、下位1/3は解任。新しい若手建築家を再選するという仕組みはどうでしょう。
その際に、建築家の出身地と同じ地域からは選んでいけないルールとします。出身地域から選ぶと人気投票になってしまうし、へんな派閥に巻き込まれてしまう可能性があるから。国が年収500万くらいを保証して、3年間地方で事務所を開き、地方創生課と一緒に仕事をすれば、けっこうおもしろい地方が誕生すると思うのだがどうだろうか?
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